自主学習会は、2002年に手話通訳者養成講座基礎課程を修了した会員がもっと勉強をしたいと始めた学習会です。
学習会は、毎月一回不定の土曜または日曜日(10~12時)に開催しています。(開催日は、毎月通信でお知らせしています)
学習内容は、基礎課程の例文、通訳士試験の聞き取り試験問題などの長文は一節ずつ時間をかけて手話への翻訳方法を学習しています。参加者が自分で考え工夫して表現をしあいます。ひとつの文章でもいろんな表現があり、お互いにアドバイスをしあいながら繰り返し表現していると2時間が過ぎてしまうこともあります。また、新聞への投稿(声の欄)や、他支部の会報の記事を要約して自分の言葉で伝える練習もしています。
名前のとおり「自主学習会」です。みんなで一緒に意見を出し合い学習しています。半分ぐらい雑談で終わることもありますが、いろいろな人の話が聞けますよ。
通信に掲載した自主学習会報告をいくつか紹介します。
自主学習会報告
通信2012年8月号掲載・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「自主学習会 昼食弁当は、事前に引換券を買って…」
先月、電動アシスト自転車を購入して、佐伯区から広通研へ自転車通学しております。1時間超かかります。
今回(8月5日)の参加者は8名でお土産を頂きながらの10時から12時まででした。
学習内容は、大会での司会者原稿を取り上げたところ、実にいろいろな表現がありました。
「本日の昼食弁当は、会場入口の外の弁当販売所で引換券を販売していますので、事前に購入して下さい。」の文では、自分が会場内の舞台に立ち、会場内の皆さんにお知らせする場面を想定しました。弁当販売所の位置を、指差しで教えたり、「事前に」は「前もって」という「カンボジア」に似た手話を教わりました。昔、腰にオムスビなどをぶら下げたのが語源だそうです。辞書にはなく、初めて知りました。
私は、「弁当引換券を買った次に会場に入って下さい」と表現したら、それは会場の外に居て来場者に表現するのだと指摘され、納得。
「なお、参加申し込みの際に頂いた昼食希望は概数を把握するためのもので、自動的に注文したこととはなっておりませんのでご注意ください。」の文では、「申込用紙の弁当要・不要欄に〇印(あるいはチェック印)は弁当希望者を調べただけで、注文とは違う。」などの表現がでていました。
私は「弁当を申し込んだだけでは×」と表現したら「×」では出席者に失礼に当たると教わり、納得。
「また、申込時に希望されなかった方も購入できますので、ご希望の場合は必ず引換券をご購入下さい」の文では、「弁当不要と思った人も、まだ買うことができる。」など簡潔明瞭な表現方法が出ていました。短い文章でしたが、たっぷり2時間費やしました。
帰りの道の昼食は4人で広島駅裏に新しくオープンしたうどん屋でおいしいうどんを頂きました。
通信2012年4月号掲載・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「自主学習会に参加して」
3月31日(土)事務所にて自主学習会があり7名が参加しました。
新聞の投稿を各自で読み、順番に内容を要約し発表しました。
その後は下記の文章を手話表現しました。
“保護者の皆さん、お忙しい中、お集まりくださって、ありがとうございます。先日、小学2年生の授業で歯の磨き方を指導した時に、子どもたちがこんな会話をしていました。”
1行目の表現についてお話します。
保護者の皆さん:ひとつひとつ単語を丁寧に表現される人(保護者 / 皆さん)。また、この会場いるのが保護者の方なので、皆さんだけで表現する人もいました。
お忙しい中、お集まりくださって、ありがとうございます:丁寧に単語を表出される人(忙しい / 集まる / ありがとう)。他の表現では、ご足労をかけました。という意味を込めて、“ご苦労様”を使われていました。
講師が後者の表現をされた方に、なぜこの表現をされたのかと尋ねられました。表現された方は、(忙しい / 集まる / ありがとう)で表現すると、ろう者の中には、ありがとうって???になり、通じないことがあるようです。式典などで使われている、“お忙しい中、お集まりくださって、ありがとうございます。”は、ろう者の中ではこのような慣用句は存在しない。という事で、ご苦労様と表現されたそうです。
今回久しぶりに参加しました。とてもいいお話が聴けて有意義な時間を過ごせて頂けた事に、感謝・感謝です。
皆さんなら、どのような表現をされますか。
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